「ウチの社長はちょっと説明しただけですぐにわかってしまうんですよねぇ」
「やっぱり社長にはかなわないです」
物流コンサルタントとして、これまで数百に上る物流企業を訪問してきました、役員や社員たちから
社長の自慢話が出る企業は、必ず業績も伸びています。逆に業績が伸びていない、あるいは業績
の低迷している物流企業に伺うと、社長に対する次のような陰口を耳にすることが少なくありません。
1.私欲が強い、強すぎる
2.公私混同する
3.自分で責任を取らない
物流企業はその99.9%が中小零細企業で、社長=オーナーである場合がほとんどです。オーナー
社長が「儲けたい!」と強く願う気持ちを否定するつもりはありません。問題なのは、一方で崇高な
企業理念や社訓を掲げておきながら、社長自らが、それに反するような行動をとっている場合です。
役員や社員は方向性を見失い、結局矛先は社長批判へと向かいます。
なかでも最もダメージが大きいのが、2つ目に挙げた「公私混同」です。会社から電車通勤の費用を
もらっていながら社用社で通勤し、駐車料金とガソリン代も請求する。そのガソリン代には休日のドラ
イブに使った分も含まれている。細かいことのようですが、そうした社長の行動は経理などを通じて
知らないうちに社内に広まっていくものです。そのうち社員たちも真似し始めます。
そして3つ目。役員や社員に対しては売上やノルマを激しく追求するものの、自分では最終的な責任を
取らない。もしくは取っているように見えない社長。この場合、一気に業績が悪化するわけではありません。
社員たちがやる気を失っていくことで、ジワジワと事業が衰退していくというパターンです。
こうなると重病です。
おっと、ひとつ言いわすれていました。ダメな社長の特徴を3つ挙げましたが、これを言われても
自分のことではないと思う社長のなんと多いことか。我々のような外部の人間に指摘されても気付か
ないのですから、社内の声などに耳を貸すはずがありません。それどころか、あえて苦言を呈してくれる
社員を遠ざけ、ついには退社させてしまう社長さえ少なくありません。ブ
レーキを失い、アクセルだけのカイシャという名のクルマがいったい、どこへ向かって進むのか。
私が説明するまでもないでしょう。
さて、上に挙げたダメな社長の特徴は全て、社長の事業遂行能力そのものよりも、むしろ社長の人格
に関わっています。これに関してアメリカで5,000人以上の実務責任者が回答したアンケート調査に
面白い結果が出ていました。
「理想のリーダーの条件は?」という質問に対し、回答のトップ3は「正直」、「未来志向」、「情熱的」でした。
「有能である」は4位で、続いて「フェアプレイ」、「応援してくれる」です。徹底した能力主義に見える
アメリカでさえ、リーダーには人格が求められているようです。


















