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「物流業経営のヒント」第16回

カテゴリ: LOGI-BIZ
2009年 2月 06日(金曜日) 20:32 作者: 吉原 和彦
「100年に一度」とも言われる金融危機が実体経済に波及したことで、今後は猛烈な勢いで物流コスト削減が推し進められることになりそうです。この兆しはすでに現れています。新年度入りを待たず、これまでなら考えられなかった物流コスト削減策を実施する荷主企業が増えてきました。その中身を見ていきましょう。 (1)物流コンペの急増 2008年末頃から、筆者の周辺では物流コンペを開催する荷主企業が目に見えて増えています。不況対策として既存の協力物流会社に値下げを打診してみたものの協力を得られず、物流コンペに踏み切るというパターンです。相見積もりを取って単価を下げるという、身も蓋もないコスト削減策が、ここへきて復活してきました。 (2)物流センターの小型化 拠点集約の広がりで延べ床3,000坪以上の大型センターの需給がひっ迫し、その反動で中小規模の倉庫の空室率が増加する――。ほんの半年前のトレンドでした。その趨勢が逆転し始めています。売上の低迷で物量が減ったことから、必要なスペースが縮小。家賃を抑えるために小規模な拠点に移転する、というケースが出てきています。 (3)サービスレベルの戦略的抑制 「今年は物流のサービスレベルを落とす!」と言ってはばからない荷主企業物流担当者に、ここ数カ月で複数出会いました。例えばこんな具合です。 ・発注単位をバラからケース、あるいは内箱、ボール単位に変更する(小売物流センター) ・納品頻度を減らす。それまで毎日納品していたものを客先のランクによって週3回から  週1回に変更する(資材卸) ・物流センターを一か所に集約する。その結果、地方の納品先に対してリードタイムが  1日以上伸びることもいとわない(製紙メーカー) これまでならまず許されなかった物流サービスの低下ですが、背に腹は代えられないとばかりに改革に乗り出しています。今なら環境対策という伝家の宝刀が営業の説得に使えるという事情もあるようですが、荷主企業の危機感は過去にないレベルまで高まっています。 (4)内製化 特に中堅以下の荷主企業で、アウトソーシングしている物流業務を改めて自社化する動きが目立っています。狙いは固定費である正社員の人件費を効率的に活用する、あるいは非正社員を含め、雇用を出来る限り守ろうということにあります。 「従来の会社の構造ややり方を根本的に変えなければ今回の不況を生き抜くことはできない」。今や多くの経営者が口にしている言葉です。物流の世界も例外ではあり得ません。一切の聖域やタブーを捨て、ゼロベースで物流のあるべき姿を実現する。それが今後数年の物流の動きになりそうです。
吉原 和彦

吉原 和彦

1966年2月生まれ。関西大学経済学部経済学科卒。
1988年 大手食品卸に入社。1998年 同社ロジスティクス本部の設立メンバーとして本社に配属。全国38の物流拠点の業務改善指導を行いながら、新センター(3拠点)立ち上げ時の設計・導入から運用サポートまで、トータルコーディネーターとしての役割を担う。また既存拠点に対しては、バーコード検品システムの独自仕様での構築・導入サポート、及びマテハン機器導入のコーディネート業務等を行う。
2000年 物流コンサルティング会社へ入社。前職のラインとスタッフ双方の経験を生かし、現場に密着した業務改善指導を行い、実績をあげる。
その後、同社取締役を経て、2005年1月、ロジスティクス・サポート&パートナーズ取締役副社長に就任。

<資格・講師・講演等>

  1. 物流技術管理士
  2. 物流同友会 会員
  3. 販売士2級
  4. 初級システムアドミニストレータ
  5. 財団法人海外技術者研修協会 セミナー講師

<主な取り組みと改善実績>
  1. 情報記録物メーカー : 物流拠点再編、およびサプライチェーン構築
  2. 食品メーカー : センター業務改善および店舗内業務の見直し
  3. 医療機器メーカー : センター内業務効率化指導、および全国配送体制の全面見直し
  4. メディア卸 : 物流デザイン再構築・新規事業立ち上げサポート
  5. 生鮮食品卸 : チェーンストア生鮮一括物流センター受託~立ち上げサポート
  6. 医療機器卸 : 物流業務分析、改善提案
  7. 小売専門店(電機) : 流通拠点集約による物流業務改善
  8. 物流子会社 : 実務効率化および改善指導
  9. 物流子会社(電機) : 外販比率向上のための戦略立案
  10. 物流企業 : 物流マネージャー育成講座講師
他多数